vol.14 日本初のタッチラグビースクールを立ち上げた奈良秀明さん

2025.09.11 投稿
町田に暮らす、さまざまな方の町田話を集める『まちトーク』。
第14回は、タッチラグビー日本代表で、町田でタッチラグビーのコーチをしている奈良秀明さんにお話を伺いました。
奈良さんと町田との関わりについて教えてください。

僕、生まれも育ちも町田出身ということで、ずっと町田で生まれ育ったという形ですかね。

町田のどの辺りご出身だったんですか

僕の地元は本町田です。今はなくなってしまった緑ヶ丘小学校から本町田中学校、忠生高校という形で高校まで町田で育ちました。

その後も町田にいらっしゃったんでしょうか

大学も日本体育大学だったので町田にはいたんですけど、その後オーストラリアやニュージーランドに留学したりしてたので、町田にはいたり、いなかったりでした。

奈良さんは子供の頃は野球をされてたということですが、どんな少年時代だったのでしょうか。

恥ずかしいんですけど(常に動いていて)親が追っかけないと捕まえられない子供でした。
幼稚園を脱走したこともありました。体を動かすことが好きで、小学4年までは体操クラブとかをやっていて、その後4年生から地元の野球クラブに入り、そこからは高校まではずっと野球をやっていました。ボールを追っかけるのが大好きな子供でしたね。

野球ではどのポジションをされていらっしゃったのですか

ほぼ全部やってた気がします。内野が多かったですね。最後はキャッチャーを自分からやりたいって言ってやり始めました。その理由はキャッチャーフライっていうのがあるんですけど、それが取りたくてしょうがなかったんです。

なぜ、キャッチャーフライを取りたいと思ったのですか

一番早く反応しないと取れないボールだったっていうのが、楽しかったです。


ここからは現在関わられているタッチラグビーについてお話を聞いていきたいと思います。タッチラグビーとの出会いを教えてください

高校までやっていた野球ではプロに行く道が見えなかったので他のスポーツもやってみたいなと思っていました。大学にあったタッチラグビーのサークルのポスターに書いてあった「日本代表になれる」というフレーズに惹かれました。

タッチラグビーとラグビーの違いはどのようなものなのでしょうか。

相手を止めるために、ラグビーはタックルという体のコンタクトが必要になります。タッチラグビーはコンタクトの代わりにタッチで止めます。その止め方の負荷が全然違うというのが大きな違いだと思います。人と人がぶつかるような大きなコンタクトはほとんどありません。だからワールドカップで男女混合のクラスもあったり、男女でも一緒にできるというのがタッチラグビーのさらなる違いの一つかなと思います。

タッチラグビーの魅力について教えてください。

はい。タッチラグビー自体の魅力というか、僕が続けている理由の一つは、タッチラグビーの試合をしている時が、自分が輝けると感じる場になっていたことです。そして、タッチラグビーというスポーツはやっぱりワールドカップも4年に1回あるので、世界ともつながれている。うちのスクールもそうですけど、小さい子から大人、もちろんおじいちゃんおばあちゃんの年代の人たちまで一緒にできるので、年代を超えたコミュニケーションやコミュニティを作れるというのも魅力だと思っています。タッチラグビーは体のタッチだけでなく、洋服のタッチもタッチになるんです。(注:タッチすることで、プレーを止められる。ラグビーのタックルと同様)掠ったらその時点でタッチが認定されてしまうので、タッチされずにトライを決めるっということは他のスポーツではないので、究極の人を避けながらの競技だということも魅力の一つだと思っています。

奈良さんの今までのタッチラグビーの経歴はどのような形になるのでしょうか。

日本代表としては、2011年のオーストラリア遠征があり、僕はそこから日本代表として活動しています。代表もオープンクラスっていう年齢制限のないトップクラスとマスターズっていう 30歳以上のクラスもあり、2011年から2023年まではオープンクラスでプレーし続けて、2024年のワールドカップからマスターズクラスという30歳以上のクラスでプレイしています。

本当にタッチラグビーをはじめてすぐに代表に選ばれたのですね

そうですね。大学1年でタッチラグビーを始めて、その年の12月に代表に選ばれてオーストラリア遠征に行きました。

最初に見たポスターの「日本代表になれる」というフレーズは嘘ではなかったのですね。

確かに文言は嘘ではなかったですね。あとは野球をやっててよかったなというのが大きくあります。

どのあたりが役に立ったんでしょうか

野球のボールって小さいじゃないですか。タッチラグビーのボールは野球のボールよりかなり大きくて僕にとっては小さいボールを取るより簡単でした。そのためウィングという点を取る役割のポジションがあるんですけど、そこに役立ちました。


今、奈良さんはタッチラグビーの活動だけでなく、ステッパーという活動もされているそうですが、どんな活動なのでしょうか。

実は、ステッパーという言葉は僕が生み出した言葉です。指導しているのはニュージーランド式ステップというニュージーランドの人たちがやる独特のステップです。これは世界ではグースステップと呼ばれていて、相手のディフェンスが、魔法のようにずれるステップなんです。このステップを指導しています。(実際の動きは動画をご覧ください)これができると相手が抜きやすくなります。どの競技でも同じだと思うんですけど、相手を突破できたらチャンスが生まれるので、このステップは有効なんです。


2015年から町田ゼルビアスポーツクラブで日本初のタッチラグビースクールを開校されていらっしゃいますが、どんな経緯で開校されたのか教えてください。

僕がタッチラグビーを仕事としてやっていこうと決めたのが2014年でした。世界中、24カ国くらいタッチラグビーを指導しながら回っていた時に、言葉は関係なくみんなが笑顔になることってすごいことだなと思ったんです。僕が町田でタッチラグビーのスクールをやりたいと、いろんなところで話をしていたら、町田ゼルビアスポーツクラブの理事長の守屋さんと出会うことができて、叶えてくれました。

チーム名がBLUES(ブルーズ)とUNITED(ユナイテッド)と2つありますが、どのような違いがあるのですか?

最初はBLUESで、小学生クラスです。小学生のクラスで終わるイメージだったんですけど、卒業生も続けたいとリクエストがあり、それで中高生クラスのUNITEDを作りました。

今は何人くらいの生徒さんがいらっしゃるんでしょうか?

少なくなっていて、今20人くらいなんです。また、どんどん新しい仲間を増やしていこうと、さらに活動しています。


今後の目標について伺いたいと思います。まずはこのスクールの今後の目標についてお願いします。

この町田ゼルビアBLUES、もしくはUNITEDというチームを、子どもたちが安心して来れる居場所にしていきたいとずっと思っています。スポーツを通じて町田から世界に飛び出てほしいなという思いもあるので、そういった場所にふさわしいように活動していきたいなっていうのが一つあります。もっともっとお子さんに来てもらって、その子たちが安心してここでプレーして、ここから活躍していく姿を僕は見続けていきたいなと思っています。実は一つは叶っていて、うちのスクール生だった子たちが、今日本代表のU20という形で、昨年のオーストラリアの遠征にも行っています。同じ舞台に僕も一緒に立てる状況が出来てきているので継続的にどんどん増えたらいいなと思っています。


今のお話に出てきた、こちらのスクールの出身で、なおかつ奈良さんと一緒のチーム、また日本代表として活動されているお二人です。この日は、スクールの子供達への指導のサポートにも関わっていらっしゃいました。左側が三瓶智祥さん。右側が中村優祐さんです。奈良さんについてとタッチラグビーの魅力についてお伺いしました。

奈良さんは、教えるのが上手で、優しいです。すごく丁寧に分かりやすい説明もしてくれます。優しい指導者という感じです。タッチラグビーの魅力は、なんといってもチームのみんなでトライを取るという、チーム一丸となって勝ちを目指していくところが一番の魅力かなと思います。

奈良さんについては、三瓶さんと大体同じ印象です。怒る時もちょっとふんわりしていていい雰囲気な人だと思っています。タッチラグビーの魅力は、自分はもともと運動が苦手だったのですが、思いのほか楽しくてのめり込んでしまいました。そんな誰でもできるというのが魅力だと思います。

誰でもできるので一度体験して欲しいです。

最後に、奈良さん個人の夢や目標についてお聞かせください。

タッチラグビーというスポーツのワールドカップのカテゴリーにはマスターズクラスというのがあります。その中の一番上のカテゴリーは年齢が55歳まであるんです。僕の一つの夢は、その一番上のカテゴリーになってもそこでずっとプレーをし続けたい、というのを一つの目標としています。さらに、ステッパーという仕事では、2年前から世界に進出しているので、より多くの国でこのステップを伝えて、みんなの笑顔を作っていきたいと思っています。

では最後にこの記事をご覧いただいている方へのメッセージをお願いします。

最後までご覧いただきありがとうございます。町田ゼルビアのタッチラグビースクールを、ぜひ皆さん見に来てください。子どもたちの嬉しそうな姿などをみなさんと共有できたら嬉しいと思っています。そしてタッチラグビーというスポーツに興味を持っていただけたら嬉しいです。現地でお会いできることを楽しみにしています。

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